「値下がり=損」ではない

値下がり=損という見方を変えるべき

何か金融商品を買って、その商品が値上がりすると儲かり、値下がりすると損をする。

これが一般的な投資という概念ではないでしょうか。

「値下がり=損」は間違ってはいませんが、概念としては浅いような気がします。

「値下がり」は、ある価値があるもの(通貨など)に対して、別の価値のあるものとの交換レートが下がったことを意味します。

交換レートが「下がった」わけですが、反対の価値あるものから見ると交換レートは上がっています。

つまり、「値下がり」とは、買った人間の主観から一方的な方向の視点で語られている下落なのです。

 

「値下がり」は自分が売った(買うのに使った通貨)が、値上がりしただけとも考えられます。

日本円は特殊な存在

日本は戦後の経済大国で、日本円は今でも世界中で信頼できる通貨とされています。

さらに、日本は島国なので、諸外国に比べると経済が独立しています。

日本では日本円があれば生活に困ることはないです。

これは日本の経済が強く、日本円が圧倒的に強い結果です。他の国の他の通貨では、日本での日本円のようにいかないものもあります。

世界のほとんどの通貨は、日本円より弱いです。

 

日本人は、とてつもなく強い通貨である日本円を使って生活をしているので、価値のある資産全てを、日本円に対して強いか弱いかだけで判断する癖がついています。

本来は、日本円で購入した資産が値下がりした場合、その資産に対して日本円が値上がりしただけのはずです。

ですが、日本円があまりに強い通貨なので、日本円に対して「俺が値下がりしたんじゃなくて、お前が値上がっただけだろ!」と言えるような資産はないわけです。

ある価値に対して、感覚的に「日本円が値上がり(値下がり)した」と言えるような価値の大きいものは、米ドルくらいではないでしょうか。

トレードは価値対価値の物々交換

「日本円で買う」「買った後に値上がり(値下がり)した」という投資に対する見方を、「日本円と投資対象のペアのレートが変動した」のように捉えると、投資観が変わる可能性があります。

例えば、いわゆる「ナンピン」の見方が変わります。

「日本円で買う」「買った後に値上がり(値下がり)した」という見方でナンピンをすると、単に倍プッシュをしているような、危険なことをしているように感じるはずです。

ですが、「日本円と投資対象のペアのレートが変動した」という見方でのナンピンは、「資産を日本円から投資対象に移している」と見えるはずです。

 

日本円で株を買う。日本円で不動産を買う。株も不動産も日本円に比べると弱い資産なので「買う」という感覚ですが、本来は「交換する」や「資産を移す」という感覚がトレードとしては正しいはずです。

日本円が強すぎるので、日本円で「買う」というフィルターがかかっているわけです。

 

相場観を変えれば後悔しないトレードができる

「買った直後に値下がりをして損をした。悔しい!」

「買ったら値上がりして儲かった!」

僕はこういう感情は、トレードには有益でない感情だと思っています。

値上がりしても値下がりしても、短期間の値動きには心を奪われないように、全体として価値あるものに資産を移していくことが、投資では重要だと思っています。

 

買ったものが値上がりするか値下がりするかで、日本円が増えるか減るか決まるということなら、それはある意味ではギャンブルのように感じてしまうかもしれません。

そうではなく、その投資対象に高い価値があったり、将来必ず価値が出るだろうと思うからこそ、その投資対象に資産を移す、という風にすべきです。

それならば、ギャンブル的な感情は芽生えないはずです。

そういったような見方ができれば、簡単に売り払ってしまわずにガチホできますし、投機的な対象になって価格が不当に乱高下しても、心が揺らがないはずです。

日本円から、現在のレートで日本円よりも資産価値が高いものへ資産の移動させる、と考えられる投資をすべきです。

 

投資の世界では自分の精神の平穏を保つことが最重要だということは、多くの先人たちの言葉にあります。

ギャンブルをしている限り心は揺れます。心が揺れるような金銭のやり取りをギャンブルと言うのかもしれません。

しっかりと見定めた価値と価値の交換をすれば後悔はしないはずです。

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